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スムリクバボウル2020

世界中から注目を集め、10歳の天才児たちが世界遺産の街、クロアチア 、プーラに集まってくるジュニアテニス界最高のイベント、スムリクバボウル。
今年は2010年生まれの世界トップを決めるべく15回目の大会が催される予定ですたが、コロナウイルス蔓延の危機から今年は残念ながらキャンセルされることになりました。
この大会を目標に世界中の子供達が頑張っていましたのでとても残念です。

4月に行われる我々のキッズテニスカップ山梨大会はこの世界大会、スムリクバボウルのアジアパシフィック予選として10歳限定枠を開催していましたが、その大会も延期となってしまっていましたのでこの状況については後日考えることにしましょう。

我々がこの大会に初めて参加したのはもう8年前になると思いますが、しかし、何故にこんなたった3面しかない田舎の個人クラブに世界中の人々が集まるようになったんでしょう?。
最初は地元の子供達のための小さな大会だったそうで、今も大きなスポンサーなどいるわけではない。が、今や「これ以上のテニス大会はない」と言われるほど絶賛される手作りのイベントになっていますから。

答えはこの下の文章を読めば分かります。
そう、主催するミオさんはテニスを心から愛し、子供達を心から愛し、そしてその繋がりを慈しんで丁寧に丁寧に大会を作り上げていたんですから。

今年は本当に残念ですが、来年も、もっとその先もこの大会は続くでしょう。
また彼の笑顔が見られる時まで。

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2020年第25回スムリクヴァボウル出場選手の皆さんへ、

皆様のお子様たちの選考作業が無事に終了したことをお知らせし、今年の大会にお迎えする準備が整ったことをお知らせできることを嬉しく思います。
と同時に、現在203カ国以上の国において大きな試練となっていて、早期に回復の兆しが見えない昨今の世界的に加速しているパンデミックの状況を鑑み、クロアチアで6月下旬に2010年生まれの素晴らしい子どもたちを招いてのスムリクヴァボウルを開催するにはどう考えても安全ではない状況であると判断したこともお知らせせねばなりません。

世界中からの旅が平常に戻るのがいつになるかが予測できない今、2010年生まれのお子様たちは私の心の中に、2019年末から始まり2020年も続いている人類を襲った戦争状態の被害者として記憶されるでしょう。

申し込みをされた殆どの皆さんを個人的に知らないまま、こういった手紙を書かなければならないことは本当に心苦しい思いでいっぱいです。

我々とみなさんの唯一のつながりと絆の殆どは、何ヶ月も前から始まった申し込み過程でのメールでのやり取りだけです。共通の友達といえば、我々とみなさんを繋げてくれた「スムリクヴァボウル大使」や、長年に渡って子どもたちを育てることに情熱を注いできている我々の知り合いのコーチの方々です。個人的に知っているお子さんたちもいますが、それはごく僅かです。

6月20日と21日の土曜日と日曜日には、普通であればスムリクヴァのトーナメントへの登録作業と大会のご案内を行い、皆様のお子様たち一人ひとりとお話をする機会があるのですが、それができないことはとても残念です。

スムリクヴァボウルの蔵書に大会申込書類を納めていただき、一人一人と笑顔で会話を交わし、お友達やご兄弟からこの大会のことを聞いて心待ちにされていた、これからの一週間のことをご説明差し上げたりするのが常でしたが、皆さんに出場希望種目に印をつけていいただき、ひとりひとりの抱負を伺うことができないのはとても残念です。その時には、大会から、皆さんが今後の成長する上で役に立つであろう思いを込めたプレゼントを差し上げるはずなのです。


6月22日の午前8時半から始まる開会式で、2010年生まれの皆さんにプレゼントをお渡しすることができないのはとても残念です。開会式には、パスポート、テニスラケットを持って参加していただき、ひとりひとりの夢や、この大会に申し込むきっかけとなった「スムリクヴァボウル大使」のことなど、言葉を交わすことにしてきました。開会式では、皆さんが、諦めることなく夢に向かってほしいという思いを込めて、何ヶ月も何ヶ月もかけて選びぬいた曲をかけるのです。

6月23日の午後6時から行われる行事は、スムリクヴァボウルの蔵書に納めていただいた書類を開き、ひとりひとりを世界につながる、それぞれの自国の「スムリクヴァボウル大使」に任命するという大会中の最も大切な場面なのですが、それに2010年生まれの皆さんを迎えることができないのはとても残念です。

そして、「大使任命」のプレゼントを手渡しして、グランドスラムへの思いを込めてオリーブの木を植樹して、それぞれの名前を木に下げてもらうのですが、それもできないのはとても残念です。

今までに、25人のスムリクヴァボウルから巣立った選手が、32のジュニアグランドスラムのタイトルを獲得してきており、それ以上の数の選手がグランドスラムの舞台に立ってきています。皆さんの多くも、描いた夢を実現できることと信じています。

そして、任命式のあとには、2004年から毎年、ドナ・ヴェキッチ選手のご家族にご提供いただいているアイスクリームを皆で楽しむのですが、それができないことも残念です。また、世界でとても貴重なオリーブオイルの「魔法のボトル」と、ご家族にはスムリクヴァ謹製のとても貴重なワインボトルのお土産をお渡しできないことも残念です。

6月24日の午後6時から、毎年開いている「スムリクヴァボウル・テニスタレントフォーラム」で、この年代での練習時間のことや、過去のスムリクヴァボウル世代の選手たちが能力を高めて夢に向かってどのくらいの練習をしていたかなどについて、ご家族との質疑応答の時間が持てないことも残念です。また、フォーラムが終わったあとにいつも行っている、今までの選手たちも愛した、音楽が流れる中で新しい友達たちと一緒に楽しむ面白いダブルスの「イグラ」を紹介できないことも残念です。

6月25日の4時から、毎回行っている「お楽しみ抽選会」を楽しむことができないことも残念です。その時には、以前の選手たちの興味深い話など、今回の子どもたちにも同様に人生の中でのテニスでのつながりを持ち続けてもらえるような思いを込めたお話をしています。そして、各々が過去の選手たちのサイン入りの記念品を受け取ります。

6月26日に、自然のパラダイスであるブリオニ島探索にお連れできないことも残念です。この島は、数百万年前には恐竜が住んでいた、長い歴史を持つ、感動的で魔法のような島で、一世紀以上前には「近代細菌学の開祖」と言われているロベルト・コッホがマラリアから回復した地でもあるのです。

我々が心を込めて作った選手専用のサンドイッチを毎日食べてもらうこと(毎日が誕生日のようです)も、金曜日の「イグラ」ダブルスの準決勝と決勝の夜に、庭で音楽を聞きながらのピザ・パーティーも楽しんでもらえないことは残念です。

ボールキッズを配置しての決勝を生中継できないことも残念です。また、表彰式の模様や、優勝者がマウンテンバイクに乗ってコートを走り、皆でケーキを一緒に食べ、プールパーティーをして、一週間を共に過ごして築いた友情を共に祝う様子などの生中継ができないことも残念です。

とにかく今は、今まで述べたことに対してとても歯がゆい気持ちでいっぱいです。でも、今のウィルス危機が終わりを告げたときに我々それぞれが何かを学ぶことができるのではないかと期待しています。プロも含めたテニスプレーヤーたちが「正常な生活」を再開できるのは一番遅くなるかもしれません。ツアーの再開には安全の保証がなければいけません。ワクチンも早く開発されてほしいです。

最近は、いろいろな情報をいち早く得ることができるようになってきています。私は、先のことについても早く学ぶことができればと思っています。私と話し合った夢にある、子どもたちのためになることをしようということや、困っている人達を助けてあげることや、治療法を探す研究の手助けをすることや、環境や動物の保護などです。これらは、今の危機が過ぎても、忘れることがあってはいけません。今のようなことが二度と起こらないようにすることや、また起きたとしてもそれに備えられるように、ひとりひとりが、しっかりと生きて行ってもらいたいと思います。

テニスは失敗をするからうまくなるのです。今、世界中の人々に起こっていることは、とても厳しい経験ですが、皆ここから学び取り、先にも書いたように、将来同様なことが起きた場合に、少しでも良い対応ができるようになることを切望してやみません。

第25回大会の選手の皆さんのひとりひとりと会う楽しみを経験することはできませんが、最近ずっと考えてきたことは、選考された皆さんをスムリクヴァボウルのファミリーにぜひお迎えしたいということです。

そこで、この書面をもって、ウィルス騒動が全人類に及ぼしている戦争のような状態のために「任命式典」を行うことができないこの特別な年の選手の皆さんを「スムリクヴァボウル大使」に任命したいと思います。会場ではお会いすることができないものの、2020年第25回スムリクヴァボウルに選ばれた選手は、今までの選手たちと同様に素晴らしい子どもたちだと思います。

皆さんが書いた夢のことや、夢がかなったらどうしたいかについて楽しく読ませていただきました。特に、他の友達を思いやる気持ちを書いた手紙は嬉しかったです。将来は、与えることのほうが得ることよりも求められるようになると思います。そして、皆さんはその「将来」を担うのです。私は、皆さんの夢はきっと叶うと信じてやみません。多くの皆さんは、私と話したことを現実のものとすることができるでしょう。今までスムリクヴァボウルの子どもたちが何ができるかを見てきているので、間違いありません。

最近、リビングルームや林の中や壁打ちコートなどで撮影されたビデオがたくさんありますね。そういった最近のビデオの中での子どもたちの笑顔を見るたびに、私は涙が出てきました。
今回も、6大陸の40カ国以上から約100名の選手のみなさんが申し込んでくれています。その内の50%以上が3ヶ国語以上を話します。30%くらいがなにか楽器を演奏します。50%くらいが自国のNo.1プレーヤーで、80%以上がトップ3にランクされています。皆、学業成績も優秀で、殆どがテニス以外のスポーツも複数楽しんでいます。


過去24年に渡って、テニス界で、世界の最高のコーチたちの間で、スムリクヴァボウルの子どもたちはその評価を高めてきています。今年の皆さんたちにもその伝統を受け継いでもらいたいと思います。今年の大会で皆さんのプレーを見ることはできませんが、皆さんがテニス歴を書く時には、是非、今年のスムリクヴァボウルに選ばれたことを書き加えてください。

皆様のお子様たちのお名前は、2020年第25回スムリクヴァボウル選考選手のリストに掲載されます。そして、それを伝統に則り、6月22日の2020年第25回スムリクヴァボウルの開会式の日に発表します。

私は、皆さんの今後の成長を見守り続けます。そして、この制約の多い時期を乗り越えて、平和と繁栄を取り戻して、練習を再開できるようになった時、皆さんが私と分かち合った夢を抱き続けていれば、やがてその夢は叶うと確信します。今、いちばん大切なことは、安全でいることです。そうすれば、あなたの夢に達するための能力を高める時間が持てます。そして、そのことを次の世代に伝えましょう。

今、人類が直面している大きな試練を忘れないようにするためにも、第25回スムリクヴァボウル選考選手の皆さんで記念植樹をすることはお話しました。この式典に誰も列席できないことは残念ですが、いつの日にか皆さんがスムリクヴァボウルの会場を訪れて、オリーブの木を見ていただける日が来ることを願っています。
スムリクヴァは、今までの選手やご家族の方々にそうしていたように、皆さんやご家族が休暇を過ごしに来たり、私に会いに来たり、「スムリクヴァボウル・テニスタレント・ファミリーウィーク」にご参加いただくことは大歓迎です。

今回の決断は、本当に苦渋の決断でした。ギリギリまで、テニス界でいえばドミニク・ティーム、ノヴァク・ジョコビッチ、ロジャー・フェデラー、ラファエル・ナダル、セレナ・ウィリアムスといったスペシャリストたちが研究スタッフにいて、今年のスムリクヴァ世代のおじいさんたちやおばあさんたちを苦しめているウィルスを退治してくれるようにならないかと思っていました。そんな科学者がでてきたら、ノーベル賞ものだろうと思っていましたが、今のところ治療法は見つかっていません。

お子様たちの年代の子供達の30%は、多様的な考え方ができます。言い換えれば、「天才」に近い考え方です。彼らは、大人が解決できないような問題を解決することができるのです。スターウォーズのヨーダが言ったように「子供の心は、本当に素晴らしい」ものです。

数日前に読んだ、ある選手からの手紙に、「僕は、家族を月に連れていきたい。」と書いてありました。とても嬉しかったです。自分が宇宙探検をすることを夢見たことがあることを思い出し、そういった子供らしい夢を持っていることが嬉しくなったのです。

これが、皆様のお子様に自分の言葉で自分の夢を書いてもらうことをお願いした理由です。とてもびっくりすることが書かれますし、今年も例外ではありませんでした。

子どもたちは、きっと年金問題についても、今の社会が抱えている様々な問題についても、大人よりも良い解決法を見つけるでしょう。我々大人は、もっともっと子どもたちから学ばなければなりません。

最初にも書きましたように、私は殆どの方を存じ上げませんが、皆様の多くは現在起こっていることに直接的間接的に影響を受けていらっしゃることでしょう。我々、スムリクヴァ、スムリクヴァボウル・ファミリーやスタッフの家族も同様です。
看護師、医師、食料品店の従業員、トラックの運転手など、多くの人たちが、この生命を脅かすウィルスがはびこる最前線で活躍しています。我々全員が、この戦いに巻き込まれています。しかし、私は人類がこの戦いに勝利することを信じています。そして、よりよい世界を作り上げることを。

2010年生まれの皆さんに、ここで「テニス以外」の体験をしていただけないことを残念に思います。いままで、そのことについて事前に説明したことはありません。スムリクヴァボウルに出場する選手自身に感じとってもらうようにしてきました。今までのスムリクヴァボウルに出場した選手たちが皆さんに経験を伝え、スムリクヴァからのメッセージの一部を伝えてくれたことに感謝したいと思います。

去年の大会も素晴らしいものでした。そして、従前どおり、去年の9月21日の「スムリクヴァボウル大使の日」から、今年の大会に向けての選考準備が始まりました。
前年の最終行事が終了した直後から、次年の準備が始まり、9ヶ月をかけて準備をしてきました。

去年の12月10日に、私は家内とミラノを訪れました。この街は私の第2の故郷で、この街で私は大学に通い、この街とイタリアには大変お世話になりました。ミラノ滞在の最後に、家内にシンガポール行きのチケットを買いました。私は家に戻ってスムリクヴァボウルの準備をすることにして、彼女は、長年健康を害している親の世話をするために、実家に帰ることにしました。そして、徐々に世界は崩れ始まったのです。

家族の一部が東南アジアに住んでいて、その地域には数々の素敵な思い出があります。まず、クロアチアで入手可能なときに、沢山の防護用マスクを購入してシンガポールに送りました。
事態は、最初のうちは制御されているように思えました。

私は、皆の夢を読み、ビデオを見て、素晴らしい今年の選手たちのことを覚えるようにしました。と同時に、コロナウィルスの状況を、毎日、表に記入して、回復の兆しを見出すようにしていました。ご存じの方もいらっしゃると思いますが、毎年4月の末に、世界各国から同窓生を選んで集めて、「スムリクヴァボウル・テニスタレント・ファミリーウィーク」を開催しています。

中国が強力な封じ込め政策を始めた時には、全ての状況は良いように思えました。東南アジアは問題なく、長い間平穏でした。そして、2月19日にミラノの南の小さな町で最初の感染が確認されて以来、状況は一変しました。

3月8日、イタリアに隔離策が発動されて中国同様の対応をしたことで、イタリアは大丈夫だろうと思いました。しかし、その後、いくつかの不運な出来事が起きて、病院にウィルスが侵入してしまったのです。3月の2週目に、私の友人から「奥さんを呼び返さないほうが良い。」との忠告を受けました。ミラノは地獄のようになってきていて、とても危険な状態になってきているとのことでした。それから数日して、シンガポール航空は、ミラノへの便を停止しました。それでも私は、イタリアの対応は効果的だろうと思っていましたが、全てが急変することになりました。

バルセロナとニューヨークは、私が生きてきた中でとても大切な街です。勉学のための時期を、この2つの街で過ごしました。そんな街の状況が徐々に悪化していくのを目の当たりにしました。
この数週間で、世界の状況は激変しています。将来の見通しも非常に厳しいものです。

3月18日に、ATP/WTA/ITFはすべての試合を6月7日まで中止すると発表しました。それまでは、ツアーは4月20日に再開するはずでした。

ATP/WTA/ITFが全ての試合の中止を発表した直後に、4月25日から5月2日と、5月3日から5月10日に予定されていた、「第6回スムリクヴァボウル・テニスタレント・ファミリーウィーク」に集まる予定だった同窓生たちに、世界的に市民の安全が保証できない状況であるので、集まりを2021年の春に延期するとの連絡をしました。

ATP/WTA/ITFは、4月1日にツアーの再開は7月13日とする旨の発表をし、ウィンブルドンの中止が決まりました。
ウィンブルドンの夢は、多くの子どもたちの手紙に書かれていました。
ウィンブルドンは1877年に始まり、開催されなかったことが10回あります。4回は第一次世界大戦(1915-1918)のため。6回は第二次世界大戦(1940-1945)です。今年が11回目となるのです。

我々の選手選考は、3月30日に締め切られました。私はギリギリまで、なんとか6月下旬に開催できないだろうかと可能性を考えました。しかし、残念なことに、日を追うごとに、回復には長い時間を要するであろうことがわかり、ワクチンが開発されない限り、世界中の物理的な交流の再開が見込めないという現実があります。

スムリクヴァボウルは、オリンピックのようなものです。毎年、6大陸40カ国以上から選手が集まり、今年も身体能力的にも秀でた選手たちが集まる予定でした。

これからのことを、前向きに考えてみたいと思います。
現時点では、中国の実績を見るしかありません。武漢で隔離策が発動されて37日で、超人的な努力と警察の統制のもとに感染者と回復者の数が並んだのです。
現在、武漢では発生後71日が経っており、97.5%の人々が回復し、感染者は2.5%になっています。(感染者と回復者の数が並んで以降の数字です、34日にわたって感染者率は減少し、最後の方では減少率はゆっくりとなり、1%減るのに4日かかりました。隔離策開始後80日目には中国は世界最初のウィルス消滅国となるでしょう)
この1週間、新規感染者数は”0”で、生活は徐々に正常化しているようですが、海外からウィルスを持ち込まれてまた広がるのではないかということが危惧されていて、警戒態勢は高いままです。

最初のコロナウィルスの感染は、11月末から12月初めに発生しました。1月7日にウィルスが特定され、1月23日に武漢で隔離策と厳重な伝染病対策が発動されました。このことが、現時点で我々が可能性のあるシナリオを考える上での材料です。

2つ目の要素は、ダイヤモンド・プリンセス号の隔離方法です。伝染病の発生は56日前と記録されており、現在14%が感染しており、86%が回復しています。中国が隔離策を初めて54日目にはまだ14%が感染していました。中国とダイヤモンド・プリンセス号の2つのケースを見てみると、80日間は隔離策を取る必要があるであろうということです。

世界の他の国ではどうなるでしょうか?非常に予見が難しいことです。
いろいろな対処法が取られており、国によっては比べるのが難しいものがあります。しかし、共通して言えることは、ウィルスの拡散スピードは早いということ。ほぼ、14日間は確認ができず、合併症と分離できるのは5~20%です。感染者数増加が早いので、患者に必要な衛生設備が世界には足りていません。患者の手当ができなければ、生きながらえることはできません。
イタリアが隔離策を始めて25日が経ちました。武漢の経験をもとにすると、あと2週間で、感染者数と回復者数が並ぶことになります。しかし、これはあくまでも中国の例がイタリアにも当てはまるという前提で、それぞれ異なった隔離基準を設けていることから、完全な比較は難しいと思われます。現在のイタリアは、回復率26%に対して感染率は74%です。2~3週後には、回復率が感染率を上回るようになって欲しいものです。もしそうなるようであれば、隔離策のもう一つの成功例として、将来の展望がしやすくなるのではないでしょうか。

クロアチアでは、3月13日に最初のロックダウンが行われ、学校の休校措置が取られました。最近発動された隔離策とは程遠い対応ですが、その日を我々の封じ込め策の初日と考えた場合、20日目となり、感染率91%で回復率9%です。ヨーロッパのいくつかの国々は同じような状況で、どのように展開してゆくのか予測ができません。

イタリアに近いということから、我が国のイストリアの危機管理部門は、中央政府に対して早く最大の対応策を講じてほしいと進言しました。イストリアでは早い対応が始まっており、中央政府が追随していますが、本当に対応が早くできているのかは定かではありません。人々の多くは、初めはウィルスがどんなものなのかがわからず、何がおきているのか理解ができませんでした。経験上、制約策が適用されるにはある程度の時間を要することがわかっています。

2週間前に、薬局と食料品店以外は営業休止を始めました。人々は自宅にこもるように要請されました。1週間前からは、他の街への移動が禁止されて、自宅待機となりました。未だに、完全な隔離策は発動されてはいませんが、ほぼそれに近い状態でいます。

クロアチア当局は、我が国は6月から7月までには封じ込め対策を解禁するであろうと発表しました。2~3週間もすれば、クロアチア国内の活動は再開されるかもしれません。そして、夏には国内のいろいろな行事も開催に関する制約も軽減されるようになるかもしれません。

しかし、国際的な交流の再開に関しては、現時点では見通しがつきません。

今年の大会への参加者が住む国の感染率状況を、3月30日時点でまとめてみました。これらの数値は、先に述べた回復までの日数計算の根拠にもなっています。

中国(3%)、韓国(43%)、ヴェネズエラ(69%)、スペイン(72%)、イタリア(74%)、フランス(75%)、日本(75%)、ドイツ(79%)、ベラルーシ(79%)、香港(82%)、ベルギー(83%)、カナダ(84%)、オーストラリア(84%)、スイス(86%)、ルーマニア(87%)、インド(89%)、UAE(89%)、オランダ(91&)、クロアチア(91%)、オーストリア(92%)、ウルグァイ(92%)、ナイジェリア(92%)、イギリス(93%)、セルビア(93%)、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ(93%)、ブルガリア(93%)、北マケドニア(93%)、エクアドル(94%)、モルドヴァ(94%)、USA(95%)、ロシア(96%)、スウェーデン(96%)、ウクライナ(96%)、トルコ(97%)、南アフリカ(97%)、ポルトガル(97%)、スロヴェニア(97%)、チェコ(98%)、ポーランド(98%)、フィンランド(98%)、マルタ(99%)

上の数字からわかることは、殆どの国が災厄が始まったばかりの状況であるということです。こういったことから、我々のテニスの交流再開ができる安全確認までには長い時間がかかるであろうことはあきらかです。

今まで長々と書き綴ってきましたが、第25回のスムリクヴァボウル出場者の皆さんには、お互いの力を競う場がなくなってしまうことを本当に残念に思います。でも、皆さん同士には、この先必ずお互いに対戦する機会が沢山来ることを信じています。皆さんの殆どには今後直接にお会いできる機会はないと思いますが、今年出場予定だった皆さんの今後の動向は見守り続けます。

先にも述べたとおり、皆さんは今後、「スムリクヴァボウル・テニスタレント・ファミリーウィーク」というタレント開発の集いにいつでもご参加いただけます。この集いは、過去の選手も含めてスムリクヴァボウルへの出場を認められた選手たちのための集いで、私とATPとWTAのナンバーワンになった選手5人(ラファエル・ナダル、アンディ・ロディック、キム・クライスター、ディナラ・サフィーナ、キャロライン・ウォズニアッキ)を育てたルカ・アピノ(Luca Appino)コーチが運営してきています。会期中は、選手と家族を対象とした50時間に及ぶクラスが設けられます。詳しくは、添付資料をご覧ください。

この危機には必ず終わりが来ます。皆さんが厳しい状況下にあると思いますが、それぞれにテニスの力を伸ばし続ける方法を見出してほしいと切望します。想像力を働かせることはとても役に立ちます。視覚化(動きのスピードや反応の速さなど実際のプレーの状況を思い浮かべる)とマインドフルネス(自分の身に今起きていることに意識を集中させて、自分の感情・思考・感覚を冷静に認識して、現実を受け入れること)は、いろいろと物理的な抑制がある状況でもトレーニングできることです。

今の困難な状況を受け入れて進めば、皆さんは来年にはさらに力をつけているものと確信します。そして、皆さんは新たな12才以下で国を代表する選手になっていることでしょう!

A big hug to all of you!!
皆様の安全とご健康をお祈りいたします!

ミオドラグ・ボゾヴィッチ (Miodrag Bozovic)



【翻訳・監修】鈴木眞一: キッズテニスカップ・トーナメントディレクター(海外対応) / PTRインターナショナル・マスタープロフェッショナル / PTR JAPAN代表 / アド・イン テニス[2020.04.06]

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