真ん中は7年くらい前からキッズテニスカップに参加してくれていたイギリス国籍のマイルス君。当時は香港在住。
香港からはコロナ前までたくさんのジュニアが参加してくれていましたが、他にも国際大会で活躍するジュニア多数。国籍バラバラですが、こうやって会うのが楽しみです。
さて寒い寒いイギリス北部の田舎からフランス、スペインの国境ピレネー山脈の麓にあるこれまた田舎町ターブに移動するのは結構大変。距離は近いのに飛行機は乗り継ぎだし、便の少ないので1日移動。しかしホスピタリティーがしっかりしているのでトランスポートあり。
いよいよ14才以下世界最高と言われるターブ、プチタスの始まりです。
ちなみにボルトンもターブもテニスヨーロッパカテゴリートップの大会なので、負けるまでホテルも食事も無料。前にも書いたように各国協会からのナショナルチームであればコーチも無料。… もちろん我々は日本代表ではないのでコーチと負ければ自腹。イギリス、フランス物価がモロに…。
ターブとオレンジボウルと、どっちがビッグな大会かというと、近年ではヨーロッパ中心なのでターブだということになる思いますが、実際、今回のこのターブにはめちゃ強い&でかい中国、韓国、南米選手らが全く参加せず、逆にオレンジボウルには2024年の14才以下ヨーロッパチャンピオンも出場していましたので、まあアウトドアかインドアか、という感じでしょうか。しかし動画などを見ていただければお分かりのように、「村おこし」として成功しているターブはものすごい観客を動員する力があり、紗希乃も12才のオーレー以来の大観衆の前でプレー。
こういった観客の大小はプロ大会でも顕著ですが、我々を含め、大会を作る側の方々はスポンサー獲得にもつながりますのでぜひ頑張ってほしいですね。
さて大会の方はゆうと。ボールを打つ才能としてはこの世界最高レベルで遜色なし。準優勝したアメリカの一番手にファイナル負けしましたが、あとは様々な経験をして苦労し、人間としての実力をつけていくことでしょう。下に動画リンク貼っているので見てね。
紗希乃は小さなシードが付き(そもそもテニスヨーロッパの大会なのでヨーロッパランキングでシード)、IMG、オレンジボウル、そして今大会と3連続実力的にはトップと言われるウクライナのビアリンスカと当たるという悪いドローでしたが、オレンジ、今回とどうにかファイナルで勝ち、準決勝では第1シードのメーガンナイトを破ってきたロシアのドチェンコ。非常にミスの少ない堅実なストロークを最後まで攻撃を続けるも破れず敗退。この二つも動画あるので見てね。
残念ながらオレンジボウルとこれとの2冠はなりませんでしたが、今の時点でそんなとんでもない結果はかえって今後邪魔になってくるので十分十分。ちょうど良いくらいの結果となったということです。
そんな微妙な匙加減は難しいと思われがちですが、実際、昔僕が指導に関わったこの大会優勝者も選手としては全くうまくいかなかったように、「これに勝つ」ことが単純に「良い」ということではないことをプロの指導者、そして本当に選手を育てることができる賢い保護者は知らなければなりません。
実際、この大会フェデラーもすぐ負けてますし、シナーに関しては14才までイタリア国内ジュニア1回戦負け。出場さえできませんし、過去の優勝者を見ても知らない名前ばかりです。
つまり、この大会に出場するため、勝つために確率の良い、つまりは現時点でミスをさせて勝つテニスをしていても、グランドスラムにはつながっていかないよね、ということです。
まあここで色々な理屈を並べるより、たくさんの試合の動画がありますのでそれを丁寧に見て、選手、コーチ、親は考えるべきであろうと思うわけですよ。