なかなか寒日が続いている日本…。テニスコーチはどれだけ寒くとも暑くともじっと耐えるしかないのですが、よる年波についにギブアップ… ということにならないよう、頑張っておリます。
さて今日はちょっとシリアスなコラム。
宮澤紗希乃選手はこの冬のアメリカ、ヨーロッパ遠征でも順調に成績を出し、同年代では世界トップレベルの実力を出していると言えるでしょうし、ありがたくも将来性を評価していただくことも。
ジュニアテニス選手であれば当然誰しもグランドスラムで戦うプロ選手に憧れるところでしょうが、その前に皆が目標とするのは自分の年代の各国代表選手になることではないでしょうか?。国旗を胸につけて、国を代表して他国、選手と戦うなんてあこがれますよね。
彼女はその年代では多分日本の選手の中ではそれなりの実力。そして本人、コーチの松島も日本国籍です。…そうは見えないとも言われますが…。
それで、当然、今年2025年、14歳以下の日本代表として世界大会で戦うのですよね?、というご質問を多々受けます。
まず、14歳以下日本代表になり、その国別対抗戦に出場するにはこういう行程があります。
地元のジュニア大会に出て上位の成績を取り、またその上の地域大会に出場し、そこでまた勝ち上がって上位に入り、前年秋、岡山で開催される13歳以下全日本ジュニア、RSKで上位に入り、選考され、合宿などを経てさらに選考され、3名が当年春に開催されるアジア予選に出場する。
アジア予選枠、3、4位に入れば世界大会出場となり、5月に千葉、柏で開催される14歳以下全国選抜でさらに選考。合宿などの練習会、遠征を経てさらにさらに選考され、8月のヨーロッパで開催される世界大会に出場する。
ちなみに、何度か書きましたがこの14歳以下国別対抗戦は日本のNTTと読売新聞がスポンサーして初めて作ったものであり、当初世界大会は山梨、名古屋で1998年まで開催されていました。
もちろん、一般的に考えればこういったことは素晴らしいことだと思います。
しかし、そもそも宮澤選手はその国内RSK、全国選抜に出場するための日本国内の県予選大会、地域予選大会にすら出場していませんし、本大会にも当然出場できません。
まずこの理由として、世界トップの実力をつけるために常にそのような状況下での練習、試合を長年積み重ねており、国内選考会に達するまでの長い長い国内期間を過ごす時間が全くないこと。
次に、動画などを見ていただければわかるように、日本のジュニアの皆さんと世界トップでは実力が違うというより、あまりに「テニス」自体が違うため、国内でたくさん試合をすることが果たして世界へ行って活躍する実力をつけることにつながるのか?、という疑問にNOという結論を出しているからです。
テニスは相手とのやり取りのスポーツであり、強い相手、世界トップを狙うテニスをする相手と戦うことで自分も強くなります。
そして、野球やサッカーなどのチームスポーツであれば、日本代表などのチームに入らなければそもそもプレーできないし、その所属する団体の価値が名誉となりますので国別対抗は世界トップと言えるでしょう。
テニスの場合、デビスカップやBJKが他国選手には軽視されるように、あくまで超個人種目。グランドスラムに重きを誰しも置いていますね。
しかしそれは理由ではありません。テニスの場合、「日本代表」というより、「日本テニス協会代表」です。無論他の競技も文科省、JOC、そして下部機関の各協会の管轄で日本代表を運営しているのでしょうが、超個人競技のテニスにおいて、それをコントロールするのは相当に難しい。昔テニス雑誌に日本協会のことを長々といろいろ書いていましたが、実はそのままほぼ全世界各国のテニス協会で同じことが起こっているわけで、日本だけに限ったことではありませんが、特に日本の場合、実際我々が体験し、ここに書いているように「協会」が全て実権を握ろうとし、世界で戦う個人に協力しない体制をとっているので、個人選手、コーチにとって良いことではない。
さらに、日本協会は自分たちの作ったライセンス制度に従って日本の選手の強化を行なっている、と自負されており、我々など長年現場で実際に選手を育てているコーチよりも、なんとかエリートコーチ… とかいう協会の息のかかったコーチの方が優秀だという法則を作っているので、当然日本代表に選考された選手は練習会、合宿、遠征などでその優秀な方々の優秀なコーチングを多々受けることになり、それが果たして良い結果を生んでいるのか?… 。
40年以上この世界で生きてきて、答えはもちろん。
毎日頑張っている現場のコーチ、自信を持って頑張りましょう。協会のコーチが上、という考えは捨てましょう。
以上のことを考えれば、たとえ予選大会に出場しなくとも選考します、と言われても同じ答えとなります。
これはあくまで個人的な考えであり、他のご意見は尊重するし、その方は自分の道を行けば良い。
しかし、スターウィングなどうちのエージェント、スポンサー各社、つまりはプロとなって自分で稼ぐまでの間、数億投資することになるであろう業界トップもそれでOKということなので、真の結果を出すため、こういった選択は特別ではないということですね。まあ日本ジュニア界では聞いたことありませんが。
当面の間、日の丸をつけることはなさそうですが、日本の皆さんに、そしてこれを翻訳してまで見てくださいいている世界の皆さんに応援していただけるような選手になり、グランドスラムで活躍できるようになるよう、日々努力していきたいと思っています。
完全同意です。
宮澤紗希選手はすでに多くの国際大会で経験を積み、優れた成績と国際ポイントを獲得しており、わざわざ過去に戻る必要はありません。前を向いて進むべきです。
テニス技術面では、自分の強みをさらに強化し、弱点を改善することに注力し、できるだけ早くポイントを獲得してWTAツアーへの参戦を目指すべきでしょう(18歳までITF大会にこだわる必要はありません)。
さらに、彼女には親のように全力で支えてくれる信頼できるチームがすでに存在しており、改めてナショナルチームで新しいコーチ陣と関係を築く必要はないでしょう。
全く同意です。貫いてください。応援しています。