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スリランカに学ぶ

ようやく春がやってきた千葉県白子地方… 真横は海… 太平洋… その先はハワイ… カリフォルニア…。
テニスコーチにとっては退屈な試合中に眠気と戦う季節であり、選手の皆さんにおかれましては、是非ともコーチの頭をブン殴るほど衝撃的なテニスをしてほしいものですな。

さて先日スリランカのテニス事情について少し書きました。もちろん僕は滞在時間3週間ほどでしたが、スリランカテニスの中心であり、テニス協会でもある最大のクラブでの大会でしたので、非常に国策が分かりやすかった。

・初期段階として、スポンサーを巻き込み(今回は歯磨き関係)、ものすごい数のテニス未経験6〜10歳くらいの子供達を集め、協会のコーチ、プロコーチなどが連日レッスンを行なっています。
子供たちは歯ブラシとTシャツ(ドライ素材のいいやつ)を参加賞に貰い、真新しいラケットを使って楽しそうに空振り… しても丁寧に丁寧にコーチは辛抱強く教えている姿は本当に感動的に素晴らしかった。見習わなければ…。ラケットは多分メーカーからの貸し出しかな。
・第2段階として、テニスを続ける決心をしたような子供達にも連日プロコーチがレッスン。レベルによって段階あり。
・第3段階として、今回のITFに出場するような選手を目指す選手の練習を協会のヘッドコーチが毎日行っている。
これ、全ては15面ほどある1つのテニスクラブで行われているわけで、ボロボロの建物ながらその中にテニス協会本部もあり、テニスの体験、初心者レッスン、選手育成、ITF大会開催、などなどテニスの普及、強化に必要なことを全て完結で行うという合理性。

これって本来、どこの国のテニス協会もやるべきことですよね?。
25年前、日本ジュニアテニス人口は最低でした。九州のある県は全日本ジュニアの予選に出場者3名で大会が成立せず、ダブルスも組めない状態。ちょうどテニスの王子様の前、錦織圭君の前の時代。
そこで、ハタと思いついた事をやったのが kids-tennis.com の始まり。まずは僕が働いていたテニススクール2校で子供たちの無料テニス教室を開催する。普及の意味合いと才能の発掘のため。そしてテニスを通じて子供達に健全な心身を養ってもらうため。
これをマスメディアを通して告知することにより、多くの人々に参加してもらう。
… と思ったんだけど、当たり前にインターネット普及悪くもスマホもない時代、広く一般に呼びかけるには新聞やテレビしか方法はなく、どこへ行って話しても門前払い。
が、西日本地域最大の新聞、西日本新聞の社会部が興味を示してくれ取材。翌日の夕刊1面トップに。
それからは手のひらを返したようにテレビラジオなど取材合戦でお陰で多くの子どもたちに集まってもらい、翌年には全国規模で新聞と組み、同じことができるようになった。もう全国何ヶ所でやって何人集まったかは覚えてないけどね。
福岡のみでやっていた時には「博多庭球好国」とし、全国となって kids-tennis.com という名前でホームページを開設。

そして数年後、その役目は終わる。テニスの王子様がテレビ放送となり、全国のテニススクールジュニア枠はパンパンになったので。お笑いですね。
そして錦織君の活躍で日本ジュニアテニスは全盛を迎え、なおみちゃんでも女子盛り上がり、我々が無料テニス教室を企画する必要は無くなったわけですが、この先を考えるとまたこのスリランカのような気合いが必要な時期が来るような気がしますねえ。

今の日本はピックルやらパデルやら、テニス人口がもろに減ってってきている事を知りながら逃げる選択を採っているわけで、普及の全てを担っているのはノアなどの民間商業施設だけと言っても過言ではないほど、協会の力はない。
前にも書きましたが、今の日本テニスを底辺で支えているのは僕たちの世代、ボルグ、マッケンローの第2次テニスブームで1面36人でレッスンし、白子に500面コートがあってパンパンだった時代、テニスやらない若者がフィラ着てラケット小脇に抱えて歩いていた時代の老年層なわけで、それがいなくなれば、もう誰もテニス大会観戦など来なくなりますよ。

このスリランカの情景を見て、我々が今本当にやらなければならないことがわかります。
テニスの素晴らしさを知る第2次テニスブーム時代の層が企業の上層部を務めているこの時代なら、様々な展開が可能だと思ういんですけどねえ。
企画はしますのでスポンサー、実行部隊、よろしくお願いいたします。

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