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London Grass

2週間のチェコ練習を耐え抜き(師弟とも)、いよいよ今回一番長い滞在のロンドン到着。1ヶ月以上の芝の戦いが始まります。
今や現代のテニスでは希少となっている「芝」のためにかなりの時間を費やすわけですが、理由として紗希乃の個人的特性があり、彼女が8歳で初めてオーストラリアの芝で見せたプレーや、昨年のテニスを見て、やはり彼女には一番合っている、つまり得意としているサーフェスはこれであり、これを伸ばすこと、つまりはウインブルドンで一番良い成績をさせる可能性が高いというコーチとしての「勘」があるから。
まあテニス見ていれば確かにクレーコーターではないのは誰でもわかりますが、その全く不得意なクレーでそこそこここまで頑張ってきましたからね。これから20年間が楽しみです。

今回はロンドン在住のミリちゃんのお家にホームステイという超豪華特典付き!。二人とも一人っ子の13歳。期限付きですが仲良しの姉妹になっていただきましょう。

さてコメントいただきましたので練習時間などについてちょっと書いてみますが、その前に3週間いたイタリア、その目覚ましい躍進のことについても少し。
シナーやムゼッティ、パオリーニなど、40年前のパナッタ以来誰もいなかったイタリアテニス界から次々とスター選手が出現していますが、大きな時代の流れを表していると言えます。

たくさんいるイタリアのトップ選手、イタリアテニス協会?… どこか有名なアカデミー?… なんて考えるのはそもそも浅はかで、その全てが違う地方、地元のクラブで育ったバラバラの出身の選手たち。
そう、もはや時代は何とかアカデミー… という時代ではなくなってきているんですね。そりゃあ自分が目立ちたいために「すでに」強い選手を呼びまくっているとこもありますが、豪華な施設やプログラムで大量の選手を鍛え、その中から1/100でスター選手を出現させるようなイメージはもはや古いということ。
実は日本国内でもそういったことはもうかなり昔から現れており、関東の有名クラブからばかり日本トップが出るようなこともなくなってきていますね。

結局テニスは「個」であり、それに対して如何に柔軟に対応できるかが重要であり、大規模やシステム、お役所仕事の協会、組織的な感覚ではジュニアから育成するのは難しいことが証明されていると言えます。
まあ簡単に言えば、地方に住む地域のコーチや親が教えていることが一番ということでしょう。情報なんて今や地球のどこでも手に入りますから。

コメントいただいたことに戻りますが、単に「時間」としては説明しにくいです。
例えばチェコ。当然「国別実力選手権」などあればソビエト連邦が崩壊してからずっとトップでしょうが、しかし我々が行っていたそのトップのクラブの練習時間は
・ウォーミングアップ30分(トレーナーと1対1、毎日少しメニューが違う)
・午前テニス1時間半(1面、コーチと1対1)
・午後テニス1時間半(1面、選手との試合形式)
・トレーニング、クーリングダウン30分(トレーナーと1対1、毎日メニューが違う)
の合計4時間。プロ男子選手も同じ。
一人一人の体調や状況に対応するのにスタッフもコート数も足りないので選手は時間をずらし、順番に対応。

これを練習量が多いと思うのか少ないと思うのか?、やはりそこで体験してみないとわからないもんですよね。

世界で一番練習量?時間?が長いのは日本や韓国の高校テニスの子達でしょう。休日は9時間コートにいますので。
テニスが単純な足し算であれば彼らはみんな世界のトップです。

続く

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