tour 81 終了

tour 81 ヨーロッパ遠征は大きな思い出と共に無事帰国。みなさんギャラリー見てね。
https://kids-tennis.com/column/56220/

そしてアメリカ、カリフォルニア在住の森谷コーチが UTR について書いてくれました。

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UTRとは何か

世界へ挑戦するための「共通のものさし」

海外留学や海外遠征を考え始めると、「UTR」という言葉を耳にする機会が増えてきます。

「最近よく聞くけれど、UTRとは何なのか」

「ランキングとは何が違うのか」

そう感じている選手や保護者の方も、まだ多いのではないでしょうか。

UTRとは、選手の現在の競技レベルを数字で表すための指標です。

私はアメリカで指導を続ける中で、UTRが単なる数字ではなく、選手が海外へ挑戦する際の「共通言語」のような存在になっていることを実感してきました。

今回は、UTRとはどのようなものなのか、そしてなぜ私が日本でもUTRを広めたいと考えているのかについてお伝えします。

⸻ UTRは順位を表すランキングではない

まず知っていただきたいのは、UTRは一般的なランキングとは考え方が異なるということです。

ランキング制度の中には、大会へ数多く出場し、規定に沿ってポイントを積み重ねることで順位を上げていくものがあります。

もちろん、そのようなランキングにも、大会への継続的な参加や一定期間の成績を評価できる良さがあります。

一方でUTRは、単にポイントを多く集めれば数字が上がるという仕組みではありません。

誰と対戦し、どのような結果だったのか。

勝ったのか、負けたのか。 相手とどの程度競ったのか。

そうした実際の試合結果が、一定のルールに基づいて数値へ反映されます。

そのため、出場回数だけで数字を上げることはできません。

強い相手に良い内容で競れば、それが評価につながる可能性があります。一方で、自分より数値が大きく下の選手に大差で負ければ、現在の評価にも影響します。

つまりUTRは、過去の肩書や大会名だけではなく、実際の対戦結果を通して、その選手の現在の実力を見ようとする指標なのです。

⸻ 海外ではUTRが「選手の名刺」になっている

日本では、選手の実力を説明するとき、 「全国選抜でベスト16に入りました」 「インターハイに出場しました」 「地域大会で優勝しました」 といった戦績を伝えることが一般的です。

日本のテニスに関わっている人であれば、その大会のレベルや価値を理解できるでしょう。

しかし、海外の大学コーチや留学関係者が、日本国内にあるすべての大会を詳しく知っているとは限りません。

私もこれまで、留学エージェントやアメリカの大学コーチと選手について話す中で、何度も同じ質問を耳にしてきました。

「その選手のUTRはいくつですか?」

日本側が、 「全国大会でここまで勝ちました」 「高校の全国大会に出場しました」 と説明しても、最後には、 「それで、UTRはいくつですか?」 と聞かれることがあります。

決して日本での戦績に価値がないという意味ではありません。

国によって大会制度も、ランキング制度も、競技人口も異なります。その中で、国や地域の違いを越えて選手のレベルを把握するために、UTRという共通の指標が使われているのです。

現在では、大学留学や海外遠征、海外の大会への出場を考えた際に、何らかの形でUTRを確認されることが珍しくありません。

それほどUTRは、海外へ挑戦する選手にとって、いわば「名刺」のような役割を持つようになっています。

⸻ 数字だけを追いかけるためのものではない

ただし、UTRの数字だけを気にしすぎる必要はありません。

UTRの本来の良さは、選手を優劣だけで判断することではなく、レベルの近い相手を見つけやすくなる点にもあります。

年齢や学年が同じでも、競技経験や現在の実力には大きな差があります。

年齢だけで対戦相手を決めると、一方的な試合になってしまうこともあります。

一方、現在の競技レベルが近い選手同士で試合を行えば、お互いに考え、工夫し、最後まで競り合う機会が増えます。

簡単に勝てる相手とだけ試合をしていても、成長には限界があります。

反対に、実力差が大きすぎて何もできずに終わる試合ばかりでも、十分な経験を得られない場合があります。

少し上の相手に挑戦する。

同じくらいの相手と競り合う。

そのような試合を積み重ねることが、選手の成長につながります。

UTRは、子どもを数字で評価するためだけのものではありません。

その選手に合った対戦相手や、次に挑戦すべきレベルを見つけるための一つの道具でもあるのです。

⸻ なぜ日本でもUTRを広めたいのか

私が日本でもUTRを広めたいと考えているのは、日本の大会や既存のランキングを否定したいからではありません。

日本には、長い歴史を持つ素晴らしい大会が数多くあります。

国内大会で勝ち上がること、地域や全国の舞台を目指すことには、大きな価値があります。

ただし、選手が日本の外へ一歩踏み出そうとしたときには、海外でも理解してもらえる「共通のものさし」が必要になる場面があります。

せっかく日本で努力を重ね、素晴らしい成績を残してきたにもかかわらず、海外へ挑戦する段階になってから、 「UTRを持っていない」 「試合結果が十分に反映されていない」 「海外の大学コーチにレベルを理解してもらいにくい」 という状況になることがあります。

私は、そのような状況を少しでも減らしたいと思っています。

将来、海外留学を目指すかどうかは、今の時点では分からないかもしれません。

すべての選手がプロや大学留学を目指す必要もありません。

それでも、子どもが数年後に「海外へ挑戦してみたい」と考えたとき、選択肢を持てる環境を今から作っておくことには意味があります。

⸻ 世界へつながる選択肢の一つとして

Kids Tennisでは、今後UTRを活用した大会やイベントにも取り組んでいきたいと考えています。

目的は、子どもたちに数字を競わせることではありません。

現在の実力に合った相手と試合をすること。 さまざまな地域や国の選手とつながること。

そして、将来世界へ挑戦したいと思ったときに、その一歩を踏み出しやすい環境を作ることです。

UTRは、テニス選手としてのすべてを表すものではありません。

数字では測れない努力、人間性、考える力、仲間との関わりも、子どもの成長には欠かせません。

そのうえでUTRは、世界とつながるために役立つ、一つの客観的な指標です。

まずは多くの選手や保護者の皆さんに、UTRという仕組みを知っていただくこと。

そこから、日本の子どもたちが将来の選択肢を広げられる環境を、少しずつ作っていきたいと思っています。