tour 62 フロリダ遠征の要項が発表されました。ほぼ昨年度同じ内容です。
注意すべきは2点。まず、今までエントリーしたほとんどの選手、つまりは誰でも出場できる国際試合だったエディーハー、ジュニアオレンジボウル(「ボール BALL」ではなく『ボウル BOWL』ですよ)の大きな国際大会が、昨年より出場制限がかかるようになりました。
よって、国際大会の成績や UTR のランキングが低い選手など、この二つには出場できない可能性があります。特に男子。もちろん、リトルモーがそれ以外のUSTA公式戦などもありますので、出場大会に問題はありませんが、この2大会にこだわる選手は事前に国際大会で頑張ってください。
もう1点。要項にも書いてある通り、申し訳ありませんが以前よりも2倍高い航空運賃、円安、アメリカの物価上昇によって遠征費が非常に高いです。これは我々では如何ともし難い。
よって大変申し訳ありませんが、このような遠征費になることをお知りおきください。
既に10名近くの参加がありますので、皆さん盛り上がっていきましょう。
もう一つお知らせ、というが皆さんへの質問。今年2月にフランス、オーレーで行われた12歳以下世界大会。紗希乃が決勝まで行きましたが、これに出場できないか?、という問い合わせがあります。
書いたように日本テニス協会は公式チームを派遣しないので、個人申し込みになり、我々は予選に入れていただき出場しました。
確かに、同じようにして僕からお願いすれば、予選に男女1名づつくらい入れていただける可能性はあるでしょう。
もしもそうする場合、2012年以降生まれの選手を公平に選出、推薦すべきでしょうから、もしも希望がある場合、松島まで連絡をください。torumeijan@icloud.com ご自分のコーチと行かれるのが一番良いでしょうが、それが無理な場合、世界を勉強したい引率コーチも派遣できます。
真剣に世界にチャレンジしたい選手がいない場合、僕は何もしませんし、複数人いる場合、選出する方法を考えます。ただし、結局全日本ジュニアをメインに考えているご家族には全く意味のない世界の大会ですので、その辺りは考慮ください。あくまで世界を目指す選手のためです。
さてようやく帰国。3ヶ月以上のヨーロッパ遠征が終わりました。
もちろんそもそも勝ってたくさんの実績やトロフィーを持ち帰るための遠征ではなく、むしろ負けるための遠征、自分よりも強く上手く大きな選手とたくさん戦い、10年後のグランドスラムに向けた修行の旅でしたので、結果も内容も十分十分。
後半はなかなか勝てませんでしたが、戦いは悪くない。毎試合最後まで食らいついていきました。そして一度もホームシックにならず、一度も怪我、病気せず、最後まで気合いで頑張り続けることができましたのでこれ以上のことはなかったと思います。
世界のジュニア選手が大きな大会で勝って目立ちたいのは、それは色々なエージェントに売り込んで活動資金、お金をもらうためです。特に経済的に恵まれていないご家庭、国、地域の選手にはそれが必要なんですね。
しかし、本当にラッキーに紗希乃は大きなお金を払ってくれるメーカーが複数マネージメント会社のおかげで付き、その心配はなくなりましたので、あとは10年後の自分のテニスに向けて純粋に活動を続ければいい。12歳以下に出て優勝しなければならない、なんてこともないわけで、そういうあたりも当然プロである業界筋は分かっているわけですね。勝負はWTA。無論未来のことは誰にも分かりませんが、そういったことをよくよく分かっているプロのエージェント達はそういったことを仕事にしているわけで、その能力がなければ生きていけません。
たとえばスペイン。ここでは昨年12歳以下に出場して3回戦負け。今年は14歳以下に出て2回戦負け。と、スペインではさっぱりなプレーしかできていないのですが、なぜがスペインのビッグアカデミーからはものすごい待遇の年間を通じたご招待を受けています。いやはやどこ見てんだろう?… と、僕も不思議な気持ちになりますけどね。
紗希乃は昨年のフロリダも上位進出なし。オーレーも決勝敗退。今年のヨーロッパも成績的にはパッとしませんが、それでもこの世界の舞台でダイナミックにコートを舞う姿を評価されているのでしょうね。僕はコーチでスカウトではないので詳しくは分かりませんが。
そういえば今年の14歳以下国別対抗戦、チェコで行われたワールドジュニア。ロシアもアメリカも中国も、強国不出場。このブラジルのウルトラトップ選手も出ていない。よって、特に日本女子は上位進出も… と期待されていましたが、結果は男子と同じ10位。日本トップ選手でも世界にはなかなか通用しないわけで、通用するためにはやはり「その強い中」に入って頑張るしかないと思い、活動を続けている僕でございます。
彼女もこのフロリダ、フランス、オーレーで多くのエージェントから評価され、大きな契約、活動の基盤を作りました。
テニスのレベル、結果だけでなく、そういった意味でもチャレンジすべき海外遠征だということですね。
この可愛い笑顔の少女二人… に、ウエアー着せてシューズ履かせてラケット持たせ、アカデミーに誘おうと思うなら、今この年齢でも相当額(普通の日本サラリーマンの年収では全く足りません)のお金がないと無理よ… という世界のお話です。