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さらばパリ

tour 59 は最終地ドブロブニクでの DUB BOWL を無事に終え、帰国体制に入ったようですね。今年10歳の子供たちが親から離れ、1ヶ月以上よく頑張りました。
随分後になって本人も家族も気付きますが、それだけで立派なこと。勝った負けたトロフィーなんてただの良い思い出であり、一番重要なのはこの経験をした本人の中に何か素晴らしいものが入ったということ。
いつも言いますが、遠征で重要なのは帰国してから。ぜひ経験を活かして頑張ってくださいね。
そしてその経験が出てくるのは数年後になるかもしれませんので、ご家族も温かい目でお願いします。
写真も見てね。

さてこちらパリ郊外で開催されているテニスヨーロッパ14歳以下カテゴリー1、ステイドフランスは11歳の宮澤紗希乃には実績があってもヨーロッパランキングに名前が上がる資格がなく、ギリギリ予選から出場。そしてどうにか頑張って準決勝まで来ましたが、去年優勝の非常に素晴らしいタレント、大手エージェントもナイキもウイルソンもしっかり契約する(我々業界人が『契約』というのはお金が動いているという意味)ブラジルのビクトリアちゃん(現在ムラトグルー)と準決勝。まあ予選からノーシドなのでここまで運が良かったとも言えますが。

動画でも配信されていますのでこの試合を皆さん見てると思いますが、なかなか攻めにうまくいかず残念ながら完敗。まあ相手はITFでも優勝している実力と才能あふれる選手なので、11歳でここまでやれれば十分なのですが、コーチとしてはまだまだ改善点も多く(当たり前だ11歳)、次回はもっと頑張れるように努力するのみ。

さて、これもよく聞かれることなんですが、どれくらい練習、トレーニングすればよいのか?。
ジュニアと言っても年齢や指導者で色々と違うと思いますが、単純に紗希乃の場合、基本はできるだけ練習しないこと。トレーニングも同じ。
この大会中も試合前後に30分アップ、ダウン。サッカーボール投げのトレーニングを毎日10分やっただけ。
理由としては、
1、成長期でもあり、健全にすくすくと大きくなる
2、怪我防止
3、常に新鮮な気持ちでテニスをする
4、体も心も疲れていると多彩な攻撃型の選手に必要なインスピレーションが失われる
5、経験からして、この年代たくさん練習しないと勝てないのであれば、もう将来性はない
おまけ
6、コーチがあまり真面目ではない
*要は素晴らしい練習を短く行う(無駄なことは一切しない)

もちろんただの個人的な考えですが、低年齢の場合、そりゃあいっぱい練習している選手がその場は勝つに決まっている。が、それがそのまま続かないのが悲しいところ。小さい頃腹いっぱいやった選手はどこかでブレーキがかかります。そして才能ある選手に抜かれます。
日本の学校テニスのように、その場、その試合に勝つことが目的であれば人よりも練習するのは当然ですが、こんな風に10年度を考えている場合、全く違う考えをします。プロを育成するコーチは世界中にいますが、実情を理解しているコーチは同じ考えでしょう。

実は「11歳で14歳以下カテゴリー1…」と書いていますが、それはどちらかというと皆さんにわかりやすくするためにわざと書いているだけで、このように何歳違い、とか、グレードとか、体格が、とか、そんなこともジュニア時代のことしか考えていない人の特徴で、プロを目指せばどうせ上下20歳違いと戦うのは当たり前だし、体格差にハンディーもないし、たとえこんな風に3歳違いでも勝ちにいかなければならない。勝負です。

ジュニア時代の良い思い出を作りたいご家族は、たくさん練習してミスを減らし、頑張って良い成績を上げてください。
本気で世界を目指す選手は壮大な計画とともにのんびりじっくりいきましょう。

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