キッズテニスカップ開催中、ちょうどこの記事が出ました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/10bca43884e7b43d5ba6af64d33ef43e85885540
このプレスリリースについて、ホー… とただ読み、これは自分には関係のない特別な事だと思うのは自由ですが、これは多くの方々、できれば世界的なプロになって…、成らせたい…、と思うご家庭に向けたお知らせのようなものです。それが分かってくれると内田さんも僕も嬉しいし、これが理解できない人はまずそんなところへは絶対行けません。
そうなんです。世界的なテニスの世界をよく知り、世界中のテニス関係者に顔がきくプロのマネージメント会社と契約し、さまざまなサポートを受け、ラケットやウエアー、シューズの会社と契約し、資金を集め、世界を回ってジュニアから ATP、WTA へ移行して賞金で飯が食えるプロの世界へ行く、というのがただの「普通」。まったく特別ではありません。
確かに今回はちょっと年齢的に早いですが、実際は先日のフランスのオーレー大会に出場しているだけでも多数の選手が最大手IMGなどと契約しています。
世界で活躍するプロ選手はそのほとんどがそういった道を通り、成功していきます。もちろんダメだった選手の方が多いでしょうけどね。
プロテニス選手になるにはものすごく大勢の方々のサポートが必要です。
まずお金。
世界の同年代ジュニアと戦うため、世界中を回るとなると年間1000万以上のお金がかかるでしょう。ITFポイントなんてちょっと出てちょっと取ったところでほぼ意味ありません。もしもグランドスラムジュニアに出場圏内、50位以内を狙うとなると年間どれだけの試合に出なくてはならないか、どれだけのお金がかかるか計算すれば誰でもわかります。
しかも、グランドスラムジュニアで優勝しても、騒がれるだけでプロとして成功するかどうかは誰もわかりませんし、女子はITF、18歳以下のカテゴリーなどあまり意味はないので、強い選手は出ない。実力ある女子は賞金のあるプロ大会にすでに出ていますので、つまり、ITFジュニアのランキングを上げることはプロに近づく、ということではないことも知っていてください。
では家がお金持ちだったら自費で資金十分なので強くなれるかというと、もしもご家庭がプロテニスの世界を深くよく知り、正しく導く力があるのであれば大丈夫です。
しかし、選手のご家庭に資金的な問題があるのであれば、それはその選手の可能性の問題だけで、マネージメント会社などが単なる「援助」ではなく、ビジネスを通して皆にメリットを出せると判断すればその活動資金くらいは十分出資してくれます。つまり才能に投資してくれるということ。
契約にもよりますが、出してくれる資金は成功しなければ返す義務はありません。成功すれば、たとえば100位以内に入れば賞金の%をバックする方式が一般的です。
その他、マネージメント会社はテニスメーカーとも密接な関係を持っていますので、メーカーとの契約も交渉し、資金を集めます。普通に10歳でもびっくりするお金が動きます。メーカーとの契約金はただプレーするだけで貰え、色々な大会、ランキングボーナスなどもあります。
そしてしっかりとしたマネージメント会社はさまざまな強力なコネクションを持っており、世界トップレベルで以下のすべて、良いコーチ、アカデミー、トレーナー、全ての環境、さらに大きな大会のワイルドカード、スケジュールのアドバイス、などなど、選手が成功する上で必要なそのほとんどを把握しており、必要に応じてサポートしてくれます。
お金よりも重要です。
つまり、こういったサポートを受けてプロへ向けて頑張っていこう、というのが「普通」であり、世界中の多くの方々が理解していない重要なことです。
ではどうやったらそんなマネージメント会社などと結びつくのか?。
それは単純。そいうったエージェントたちがいる大会に出場し、素晴らしい才能を見せれば良い。
もちろん、才能がなければ誰も寄って来ません。そしてここ重要、勝っている選手、優勝している選手が伸びるというわけではないので、その判断はエージェントの選手を見る才能です。
才能と才能がめぐり合うかですね。
国内のジュニア大会やイベント、なんとかアカデミーの招待など、全日本ジュニアに優勝としても誰も見てくれません。
そして、前にも書きましたが、エージェントは親を見ています。
ダメな親なら選手に才能があっても近寄りもしません。
僕はなぜか30年以上、世界レベルのジュニア育成関係で様々な付き合いがあり、今回契約したマネージメント会社のエージェントもずいぶん旧友で、何度か失敗して大迷惑をかけたこともある仲ですが、今回初めて一緒に仕事をすることになりました。
今まで数十年やって来たことがようやく役に立つ日がということでしょうか。